こんにちは!グループ代表の内山田です。
先日の10月13日は浅草橋のヒューリックホールで当社主催の商談会「カフェレオキャラクターコンベンション」を開催しました。
今回で19回目の開催となりました。
世の中にはさまざまな展示会や商談会がありますがアニメーションやゲームに特化した「キャラクターグッズ」の商談会はおそらく日本国内でもこの商談会だけだと思います。
僕たちの取り扱う商品は仕様や機能性などのスペックよりもデザインや質感が重視されるアナログ感のある商品群が中心です。当社の取引先の販売店の担当者の方々にもメール主体の商品案内記載の資料よりもより身近にさまざまな商品を観てもらいたいという趣旨で当商談会を開催したのがきっかけです。
また普段営業活動が行き届かない地方の方々にメーカーの担当者と一斉に出会うきっかけになったり、当社の営業担当者とメーカーと販売店の3社商談をその場で行ったり、いろいろな利点を評価していただいています。
今回もキャラクターグッズのメーカーさんを中心に40社の出展をいただきました。
特にアニメーションに関わるマーケットはこの10年の間に飛躍的に大きくなりました。アニメ化される作品も年々増え続け、比例するように商品化を行うメーカーの数も新規参入も含め拡大続しています。
スマホゲームの市場も2兆円を超える10年前と比較して倍に近い成長を続けています。アイドル系のゲームなどを中心に若い世代の女性の購買層が牽引してグッズなどの二次商品の市場も拡大を続けてきました。
一方で「作品」「キャラクター」「ライセンシー」が増え続ける中で商品は完全に飽和状態となっています。トレンドのサイクルが短い中でリードタイムも短く制作できる商品となると印刷系などの素材に偏る傾向もありますので、どうしても同じような商品に偏ってしまう傾向があります。
溢れる商品群の中で差別化することは大変難しい事ですが、より消費者と近い接点を作るためのイベントやポップアップストア、コラボカフェなどの物販も多種多様な環境となり競争も厳しくなっています。
そのような中でコロナ禍に入り大きな変革を迎えることになったのですが、エンターテインメントやポップカルチャーのマーケットはイベントなど大変厳しい業態もありましたがマーケット自体は他のカテゴリーと比べ元気な状態を維持してきたと思っています。
しかし「多品種小ロット」でサイクルを回し続ける現状に違和感を持ち、社内でも危機感と改善を訴えていたのですが長年築かれた手法を自分自身も変える事ができなかったことも事実です。
最近、当社にて取引に関わる大きな出来事が起きて、否が応でも自身のスタイルを変えていかなければならない状況になりました。
乱暴な言い方をすると「取り扱う商品なら何でもよい」というスタンスで、日々溢れるような情報量を限られたスタッフのリソースで取り回すことを続けていましたが、元々当社は「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」「モンスターハンター」などのゲームタイトルに関わる商品を「継続的」に「さまざまな売り場」に導入することで、よりユーザーとの接点を作ることを生業とした会社です。
「グッズが売れる事で作品自体の満足度の向上にも貢献する」という少し背伸びをした大義名分を掲げてきたのですが、マーケットや自身の会社の成長にかまけて大切なものを見失ってしまっていたかもしれません。
今回のキャラクターコンベンションからそのあたりも意識して原点回帰するような方向に向かっていきたいと思っています。
出店していただくメーカーさんも若干絞らせていただいて、より当社とも関係の密度の高いパートナーシップを持った提案にしていきたいと考えています。
ここ最近はメーカーさんと商談する機会をあらためて増やしていますが、特に伝えているのは「各社の得意な部分をより差別化して伸ばしてほしい」と伝えています。商談会でも同じような商品が並び続けると来場された販売店の方にも魅力が伝わりません。より作品の世界観が伝わるような、もしくは素材や技法が差別化されたような商品が増えていかないと消費者の方々の感性も磨かれないのではないかと思っています。
もちろん魅力的な描き下ろしイラストや安価に購入できる定番性のある商品も重要です。ただ飽和状態の中で「支持」されるのは、より継続的に魅力を提供し続けるブランド力が必要であると考えています。
今回の商談会の中で大変好評だったのは3年ぶりに実施した「京都ものづくりエリア」です。
僕個人としての京都企業への講師の仕事や、京都の路地の擬人化をした作品「お通り男史」の原作制作の参加など京都とのお付き合いの縁で、京都の伝統工芸などの会社を単独のブースで今回は10社出展していただきました。
京扇子や友禅、旗章、京人形などさまざまな企業が参加していただきましたが、まさに伝統工芸が集まる空間となり、すぐにキャラクタービジネスと結びつくのは難しいかもしれませんが、異業種と文化が交差するような感じで大変活気のある場所でした。
また、作品自体をアピールする場としてキャラクターデータバンクさんに協力していただき「ライセンサーエリア」を展開していますが今回はクリエイターの方自身が参加して自身が手がけるイラストやキャラクター、作品などを提案していただき、新しい試みとして多くの方が興味を持っていただいたみたいです。
元々、作品から素材まで一つの場所でワンストップで触れ合う事を提供する事を目標としていますので、いずれはアニメ作品の試写会やゲームタイトルの新作の体験会などもできればと持っています。
そのような状況での19回目の開催となりましたが、今回は開催直後から出展者や来場者の方々との挨拶が最後まで続き名刺が切れかかるぐらいのたくさんの方と話をさせていただきました。特に地方のチェーン展開をしている販売店の皆様が数人で来場していただきアフターコロナの展開として多くの期待の声をいただいたことは大きい手応えがありました。
時間の余裕がなく、各ブースを見て回れなかったことは残念でした。
売り上げや利益も大切ですが「三方よし」の環境を皆で作る事が当社の企業文化にしていかなければとあらためて意識していきたいと思います。
今回も無事に開催することができましたが、当商談会は100%当社スタッフが運営しています。日々の業務と兼務しながら半年がかりで、会場との調整から誘致の準備、オンラインパンフレットら来場者への粗品など社員全員で作り上げています。
開催当日も通常業務を行なっています。会場の運営協力もある中でバックオフィスの業務を同時進行で担当するメンバーも含めて当社グループの総力戦の商談会です。
この場を借りて関係者のみなさまと当社のスタッフたちに感謝とお礼を申し上げます。
次回は4月の開催を予定しています。