なんとも驚くべきことだが4年に一度のサッカーの祭典「ワールドカップ2022」の予選グループで日本代表が強豪スペインに勝利して決勝トーナメントに進出してしまった。
そもそも世界ランク11位のドイツと7位のスペインと同組になった時点で世のサッカーファンの中には強豪2国とのガチンコの試合が見れるだけでもよしと勝利よりも観戦自体に趣を変えてしまった人もいるかもしれない。
カタール開催ということで「ドーハ」というキーワードが頻繁にメディアで使われているが、実際に「ドーハの悲劇」と呼ばれるアメリカワールドカップ予選の日本代表対イラク代表戦のラストプレイでの同点劇は当時社会人なりたての頃で残業の末に終電に乗り遅れて当時勤めていた本社で上司の人たちとテレビ観戦していたことを思い出す。
さらに前回2018年のロシア大会での決勝トーナメントでのベルギー戦。
同点から延長目前の残り14秒で逆転での敗戦という結果を目の当たりにしているだけに今回の組み合わせに関してグループ突破の淡い期待よりも善戦からのあわよくばの展開を胸に秘めていたことが本音である。
実際にワールドカップが開催しても街も会社も大した盛り上がりもなく、メディアでさえ特段大きな特集もなく淡々と日本代表の初戦を迎える。祝日の夜10時試合開始という絶好のタイミングもあったが日本代表のドイツ戦勝利は長いコロナ禍のもやもやを吹き飛ばすような痛快な出来事であった。
メディアも一転日本代表の特集一色になり一気にワールドカップの日本代表がヒートアップされるのである。
スペインに7失点という大敗を喫した次戦のコスタリカ戦では「実力もモチベーションも確実に日本代表が上」というセッティングで、実際に地上波での試合放送中の解説でも日本が負けるわけがないという言葉が使われるぐらいの状況の中でまさかの敗戦となる。
中南米の強豪コスタリカに「まさか負けることはない」と考えてしまうぐらい、最後のスペイン戦に決勝トーナメント進出を賭けることは避けてしまいたい、いわゆる「現実逃避」の期待であったが、ドーハからロストフの時系列でまたもや期待を裏切られる敗戦を喫することとなる。
金曜日の朝4時というなんとも観戦には苦しい時間でのスタートのスペイン戦は全チームの勝ち星が並ぶ、相手の結果も含めて引き分けでも危うい勝利必須の一戦となる。
実際に試合は見てのとおりの大逆転の勝利で決勝トーナメントに進出という形になるのであるが、スペインの試合のポゼッション(ボール支配率)は実に82%ということで、大人と子供が試合をしているような状況であるが、結果からの見方であればスペインはボールを回していただけで、日本は虎視眈々とミスと隙間を狙っていたということになるが、やはり結果というものがいかに大切かと痛感する。
まだプロがないころからサッカーに興じていた自分としてはワールドカップの舞台でドイツとスペインに勝利するということ自体は、まるでウイニングイレブンやFIFAなどのゲームでも体験が困難のような夢の実現のひとつであり、実際に優勝に値するぐらいの強豪の壁を突破したという出来事である。
それにしても我らの日本代表は期待するとコロッと敗戦して、戦々恐々の相手には劇的に勝利するなんとも魅力的なチームである。
早々に決勝トーナメントが始まるが、初戦のクロアチアは世界ランク12位で前回大会準優勝の誰もが認めるヨーロッパの強豪である。
期待は持たず今回の日本代表らしさの大番狂わせを信じて応援したい。